一般県民の方を対象に、廃棄物に関する知識と正しい理解を広く啓発することを目的に県民講座(施設見学会)を開催しました。
3.平成30年度県民講座 施設見学会 | |
開催日程: | 平成30年12月6日(木) 10:10~17:00 |
視察先: | JFE環境株式会社
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参加者 | 20名 |
平成29年10月1日に廃棄物処理法の改正が行われ、水銀廃棄物に関する規制が強化されて新たな対応が必要となりました。私たちの身近に存在する蛍光灯の処理について、有害物である水銀を安全に回収するJFE環境㈱鶴見工場の蛍光灯リサイクル施設と、私たちの家庭から排出されるプラスチックリサイクル施設を見学しました。
冷たい小雨の降る千葉駅に集合、中型バスで東京湾アクアラインを経由し、川崎に向かいました。足元の悪い中の見学は少し心配でしたが、幸い見学中は雨がやみ、傘をささずに歩くことができました。
最初に、会議室で主任部員の赤嶺氏から会社概要、沿革、事業内容について、DVDを見ながら、詳しく説明を受けました。JFE環境グループは「あらゆる廃棄物を価値ある資源に」を理念に商社的な機能も持った企業で、低濃度PCB、機密文書、未使用スプレー缶、乾電池など多岐にわたる廃棄物の処理を行っています。処理だけでなく廃棄物を集めてくるのもとても大切なことと認識し、収集運搬も運搬物にあわせ多様な車両を備えているそうです。
その後、広い敷地内をバスで「鶴見蛍光灯リサイクル工場」「横浜プラスチックリサイクル工場」に移動し、場内を2班に分かれて順番に見学しました。見学はヘルメット・上着・軍手を着用、イヤホンガイドを装着して行いました。参加者の方々は、廃棄物処理業に携わったことのない一般県民の方なので、めったに見ることのできない処理工場施設を非常に興味深い様子で見入っていました。見学後、行われた質疑応答では、マテリアル本部管理部長の中村氏が対応してくださいましたが、とても多くの質問が出ました。JFE環境㈱の方の丁寧なご案内と懇切な説明で、身近な蛍光灯や容器包装プラスチックのリサイクルの全体像がよく理解できたと、参加者の多くの方から好評をいただきました。
2004年に稼働、あらゆる形状の蛍光灯リサイクルを実現している国内最大規模の蛍光灯処理施設で、産業廃棄物のみを回収しています。
蛍光灯には多くの種類があり、種類ごとに処理の仕方が違っています。飛散防止膜付蛍光灯はフィルムを人の手ではがしてから処理するなど、手間をかけて適正に処理をします。「蛍光灯は水銀が無いと光らない」ということを知らない参加者も多く、「蛍光灯が白く濁っているのは、色がついているわけではなく、蛍光粉(白い粉)が入っていて、その粉に水銀が微量混ざっている。」と説明を受け、大きさが同じ蛍光管を処理機に入れて、口金を素早くカットし、カットした部分から特殊ブローで蛍光粉を吹き飛ばすと、白い蛍光管が瞬時に透明になる工程を見て、驚きの声をあげていました。
「蛍光粉は水銀蒸留装置で水銀を気化させて取り除き、気化したものを冷却し、回収する。」「磁力選別機や渦電流を用い、水銀・鉄・アルミ・プラスチック・ガラス・蛍光粉に分別し、リサイクルする。」「LEDには水銀のような有害なものは無く、中には有用な金属が入っている。」等を教えていただき、同社が産業廃棄物を資源として循環させることに真摯に取り組んでいることがよく理解できました。
家庭(横浜市)から排出されたプラスチックを、異物を取り除いて運搬しやすいようにベール化(圧縮梱包)する施設です。容器包装リサイクル法でリサイクルの対象としているプラスチックにだけつけられた識別マークのあるものを処理する工場です。
受入貯留ヤードで受け入れられたプラスチック製容器包装を、受入ホッパー内に投入し、破袋機で袋を破ります。粗選別機によって重量物と軽量物に分けられたものから手選別によって不適物を除去します。その後、運送効率を高めるために圧縮梱包した圧縮梱包品(ベール)を再商品化(原料・燃料等)事業者へ出荷します。
一般家庭から排出されたプラスチックに非常に多くの異物が混在していることに驚き、分別の大切さを実感しました。
・ | 蛍光灯処理はスリムに合理化、再資源化されていて感心しました。 |
・ | 蛍光灯に水銀が使われていることは知らなかった。水銀回収の大切さを認識した。 |
・ | なかなか見る機会もなく、普段何気なく使っている蛍光灯の処理を分かり易くお話ししていただき大変興味深く見学させていただきました。リサイクルはこれからの課題です。 |
・ | JFE環境㈱の社員の皆様のご親切な対応に感謝いたします。蛍光灯の処理は「百聞は一見にしかず」とにかく勉強になりました。参加して良かったです。 |
・ | 蛍光灯、プラスチックの処理過程が良く分かった。特にプラスチック工場のゴミ袋の量の多さに圧倒された。昨今、東南アジアでプラスチック等ごみ汚染が問題になっているが、その中に日本製の物が多いという話だが、こういう設備がもっと多く稼働して、世界の環境改善に役立って欲しいと思います。 |
・ | プラスチックリサイクルでは不適物の混入が多いことに驚いた。市民の分別意識、モラルの向上が大切だと痛感した。 |
・ | プラスチック処理について、ルールを守らない人間が何気なく捨てる「ポイ捨て」と同じである。分別のマナーを守ってほしいものです。 |
・ | 水・電気・ガス・通信、そして産廃、ゴミ処理も立派なインフラですね。 |
・ | 鉄・銅等の生産から発生する物質をリサイクル化する事から始まり、数種のリサイクル化に発展されたと伺い、収集能力がフルに活かされた素晴らしい工場だと思いました。 |
・ | 日常簡単に考えていたゴミが、皆様の手により再利用される様子を有り難く見学させていただき、今後、今日のことを思い浮かべ、考えたいと思いました。 |
・ | 貴重な見学に参加させていただき有難うございました。日頃何とも思わないで捨てていた蛍光灯やペットボトルが資源として再生され、危険な水銀が除去されるラインを見せていただき、私ももっと環境に注意を払って生活しなければいけないと思いました。 |