一般県民の方を対象に、廃棄物に関する知識と正しい理解を広く啓発することを目的に県民講座(施設見学会)を開催しました。
開催日程: | 平成28年12月12日(月)12:20 ~16:30 |
視察先: | (1)フェニックスメタル株式会社 金属リサイクル施設 (2)ライオン株式会社千葉工場 環境に配慮した植物系洗剤の製造工場 |
参加者: | 30名 |
京葉工業地帯の中枢をなす市原埠頭内に立地する「フェニックスメタル株式会社」を訪れました。自動車リサイクル・金属リサイクル及び家電4品目リサイクル(TV、冷蔵(凍)庫、洗濯機、エアコン)等の施設です。
水口社長、前田統括部長をはじめ、多くの職員の方が迎えてくださいました。
会議室で、映像を見ながら金属リサイクルフローの説明を受けました。同社は金属類を月間約2万トン受け入れ、メインのシュレッダー破砕機の能力は3500馬力あるそうです。廃自動車は解体が終わったものをプレスし破砕、シュレッダーダストとしてメーカーより指定を受けた処分場へ運搬し、埋め立てにまわるのはごくわずかで、リサイクル率が高いのですが、廃家電については、環境破壊抑制のために、さらに回収率を向上させる必要があるようです。
「家電リサイクル法による処理が始まったのが平成13年、それまでは埋め立てが主で、自治体でさえもフロンも回収していなかったためオゾン層が破壊されてきた。現在は洗濯機、冷蔵庫の約8割が回収されているけれど、エアコンは半分も回収されていないのが実状。街中で無料と謳って回収を行っているのは、フロンを回収せずに不適正処理する違法な業者ですよ。」の話には、参加者から嘆息が漏れていました。
廃棄物の搬入ルート、電機メーカーのグループ分け、リサイクル料金と収入との関係等の説明は、廃棄物処理をよく知らない一般県民の方には大変理解しやすいものでした。
その後、構内を徒歩で移動し、建屋内外の施設を見学しました。巨大な金属の塊が、大きな音をたてて処理されるのは圧倒される迫力です。また、家電が人の手により丁寧に分解、分別されていく処理工程はとても興味深く、循環型社会の構築がこのような地道な作業のもとに成り立っているものと実感しました。
・ | 知らないことばかり。リサイクルの現場を見て、分別回収の重要性や家電リサイクル法の意味など、よく理解できた。中高生など、若い人たちにも見せたいと思う。 |
・ | 産業廃棄物処理工場なのに想像以上に清潔であった。廃棄物が無駄なく生まれ変わっていることが分かった。レアメタルまで回収されているとは思っていなかった。 |
・ | 金属リサイクルを見学させていただきありがとうございました。ひとつひとつ手間がかかる仕事ですが、スタッフの皆さん黙々と役割を果たし、感謝の気持ちでいっぱいです。家電リサイクルの法律が出来、資源循環の仕事に誇りをもって働いている様子を見て、見学したことを早速家族にも伝えました。私たちに出来る循環をこれからも続けて行きたいです。 |
次に、同じ市原埠頭内の「ライオン株式会社」に向かいました。
この千葉工場では、洗浄力と環境への配慮を両立させた洗剤の生産など「環境対応先進工場」を目指した生産活動を行っているそうです。
概要説明、ビデオ上映の後、グループに分かれて台所用洗剤の実験を行いました。油汚れが丸くなって浮上する様子は面白く、界面活性剤の進化がわかります。
その後、工場内を見学、洗剤の充填や箱詰め、そして無人のロボットトレインを使って倉庫に運ばれる各工程を間近で見る事が出来ました。私たちの身の回りにある石けんや洗剤などの日用品と環境について考える良い機会となりました。
ライオン株式会社千葉工場 集合写真 |